日本に滞在している外国人留学生の内訳
「タイ工場の将来のマネージャー候補としてタイ人留学生を採用したい」
「ベトナム人技能実習生の管理者としてベトナム人留学生を採用したい」
「中東地域への営業活動強化のために、アラビア語、英語、日本語のできる留学生を採用したい」
外国人留学生を採用する場合、上記のように事業の海外展開先や業務に必要な言語を考慮した上で、どの国・地域出身の留学生を採用するか決めている場合が多いと思います。ただ、採用したいと思っても、「そもそもターゲットの人材が日本にほとんどいない」ということも考えられますので、ターゲットの人材が日本にどの位いるのかを理解した上で、採用計画を立てる必要があります。
外国人留学生は増加傾向
そこで今回は、日本の教育機関に在籍する外国人留学生の内訳についてお話したいと思います。前回のブログでは、2015年度の留学生の数は約20万人となっているとお伝えしましたが、正確には以下のように20万8,379人となっています。
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | |
高等教育機関(大学・大学院や専門学校など) | 13万5,519人 | 13万9,185人 | 15万2,062人 |
日本語教育機関(日本語学校) | 3万2,626人 | 4万4,970人 | 5万6,317人 |
合計 | 16万8,145人 | 18万4,155人 | 20万8,379人 |
この2年間で高等教育機関に在籍する留学生は約12%増、日本語教育機関に在籍する留学生は約70%増、合計で約24%増加しています。2011年の震災後、来日する留学生は一時減りましたが、この数年は増加傾向にあり、特に日本語学校に在籍する留学生は2012年度以降、急増しています。
急増しているベトナム人留学生とネパール人留学生
次は留学生の出身国別に見ていきたいと思います。
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 構成比(2015) | |
中国 | 97,875人 | 94,399人 | 94,111人 | 45.2% |
ベトナム | 13,799人 | 26,439人 | 38,882人 | 18.7% |
ネパール | 5,807人 | 10,448人 | 16,250人 | 7.8% |
韓国 | 17,283人 | 15,777人 | 15,279人 | 7.3% |
台湾 | 5,660人 | 6,231人 | 7,314人 | 3.5% |
上位5ヶ国合計 | 82.5% |
上の表は出身国別外国人留学生数の上位5ヶ国についてまとめたものですが、トップである中国はこの数年減少傾向にあり、10年前は65%以上占めていた割合が45%まで下がってきています。逆に留学生数が急増している国がベトナムとネパールです。
直近2年間でベトナムは約2万5,000人、ネパールは約1万人増え、両国とも約3倍近く増えています。留学生合計数は直近2年間で約4万人増となっているので、この2ヶ国が留学生数の増加を牽引していると言えるでしょう。
ベトナム人留学生にベトナムでの日本留学の状況について尋ねてみたところ、数年前からベトナムでは日本語がブームで日本留学に行くことが若者の間で流行っているとのこと。背景としては、ベトナムに日系企業が増え、高い賃金という魅力もあって、「日本語を勉強して日系企業で働きたい」と考えるベトナム人が増えているそうです。滞在歴が長いベトナム人留学生からは、「最近は増えすぎてちょっとやだな~」という声をよく聞きました。
ベトナムを除く東南アジア、欧米出身の留学生は希少
上位5ヶ国以下の留学生を見てみると、日本企業の採用ニーズの高いタイが3,526人で全体の1.7%、インドネシアが3,600人で全体の1.7%、アメリカが2,423人で全体の1.2%といずれも非常に少ない数となっています。(2015年度)
タイ | 3,526人 | 1.7% |
インドネシア | 3,600人 | 1.7% |
アメリカ | 2,423人 | 1.2% |
フランス | 1,122人 | 0.5% |
ドイツ | 860人 | 0.4% |
ロシア | 692人 | 0.3% |
サウジアラビア | 587人 | 0.3% |
日本学生支援機構の調査によると、卒業・終了後の進路希望として約6割の留学生が日本での就職を希望していますので、中国やベトナムに関しては採用対象として母数がある程度確保されるため、通常の募集方法でも母集団形成が可能です。
しかし、採用ニーズの高いタイやインドネシア、欧米からの留学生については、日本に留学している数そのものが少ないため、採用難易度は非常に高いと言えるでしょう。また、採用ターゲットの専攻が理工系である場合、その数は大きく減る(理工系の占める割合:約13%)ので、出身国以外の要件(日本語を含む語学力、学歴、専攻など)が高くなればなるほど、採用難易度は上がっていきます。
理学 | 2,693人 | 1.3% |
工学 | 24,665人 | 11.8% |
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以上、日本の教育機関に在籍する外国人留学生の内訳をお伝えしましたが、外国人留学生の採用をおこなう場合、元々の数が少ない出身国で特定し、さらに理工系専攻となると、通常の募集ではなかなか応募者が集まらないのが現実です。
当社では、外国人の採用支援サービスとして外国人採用コンサルティング、外国人採用業務代行、説明会への外国人留学生集客動員をおこなっています。留学生との独自のネットワーク構築によって、タイやインドネシア、欧米など特定の国籍、言語力、知識・技術を持つ外国人の採用もお手伝いいたしますので、ご検討の際はお気軽にご相談ください。
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